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雨を縫う

バスの中から、私を目撃された方がいらした。

台風15号の影響で降り続く雨の合間を縫い、路面電車の軌道に沿う大通りを、鹿児島市役所から老舗デパートへ向かっていたその姿が、急いでいるようにお見えになったらしい。

私は急いだりしない。
ただ、どこで昼食を摂ろうかと、右往左往していただけである。

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*料理の写真は、ブログによって違います。他もご覧下さい。

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by site-tate-tale | 2008-09-30 17:17

春愁秋思

それでも24℃あったのだが、雨が降ったり止んだりの今日は、気温も急に下がった。
春愁秋思、こんな日は、「生かされている也」と、ついつい天命について熟考する。

お隣の犬も、短くなった日と途切れぬ虫の音に、寂寥を感じたに違いない。その遠吠えに哀愁が滲む夕暮れである。

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by site-tate-tale | 2008-09-28 21:02

若い力

路面の黒い染みは、夜深けの雨の名残である。
小学校の運動会は予定通り行われると、朝から号砲が喧しい。
ただ、雲行きは怪しく、空は濁ったままだ。

走るのが速かったから、運動会は好きだった。
鹿児島市の陸上競技大会も常連で、小学生の頃から出場している100メートル走、400メートル・リレー、走り幅跳びに加え、中学では砲丸投げと三種競技(短距離走・走り幅跳び・砲丸投げ)の選手に選ばれた。
毎回、8位程度の成績だったので、自慢するほどでもないが、今の私からは想像つかない方も多かろう。

自分の身体が、自分の意思通りに動くことが大切なので、演劇には高度な運動神経が必要だ。これは、芸術という括りの中でも、絵画や音楽とは違うところである。
私の職業選択の動機に、運動神経への過信が反映されたことは間違いない。

窓辺の西洋朝顔がしぼむ頃、雨音が激しくなった。
子供の頃の私のように、かけっこの得意な子には気の毒だが、運動会は中止だろう。

不図、思い出したのは、お重に色とりどりの母の弁当である。
三角のおにぎりは、私の好物のおかかと昆布だった。

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by site-tate-tale | 2008-09-28 11:44

甘露

癇癪を起こしていたのか、驟雨は落雷でクライマックスを迎えた。
夢から引き戻されたので、マレー熊のように、のそのそと布団から這い出る。

窓辺の西洋朝顔は今朝は花をつけず、然し赤子の指のような蕾をいくつも用意し、未来に備えている。
朝露が雫を集めながら蔓を転がる最中、巻き込んだのは一匹の蟻である。

空腹なのは、昨夕の両棒餅(じゃんぼもち)以降、何も食べていないからだ。

朝の習いは、一服の緑茶である。
冷ました湯で開いた茶は甘かった。

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*両棒餅とは、円盤状につぶした団子に二本の平たい串を刺し、砂糖醤油のあんをかけた、鹿児島市の名物菓子です。
武士の刀の二本差しから、両棒と呼ばれるようになったと伝えられています。

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by site-tate-tale | 2008-09-26 10:34

Space Oddity

テレビから、David Bowieの"Space Oddity"が流れてきた。
10月スタートのドラマの主題歌のようだ。

テイトがギターの弾き語りが出来る唯一の曲、それが"Space Oddity"である。



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by site-tate-tale | 2008-09-21 22:03

彼岸会

午後、外出することになっているのだが、愚図愚図している間に12時だ。
慌てて準備をしている時に限って、電話に宅配便にと横槍が入る。

人によっては四連休のスタートとなる土曜日、彼岸を迎えるというのに先の台風が夏を連れ戻した鹿児島は、相変わらず陽射しが痛い。

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by site-tate-tale | 2008-09-20 11:53

模様替え

母方の祖父母が、鹿児島湾に面した海水浴場に近い一軒家を売り払ったのは、庭木の手入れや下草払いをするには高齢になったからである。
彼等が、戦時中に向田邦子さんが疎開し、彼女のエッセイにもよく登場する鹿児島市立山下小学校近辺のマンションに越して半年ほどになる。
山下小学校は祖父の母校でもあり、本当は土地勘があるらしいが、如何せん、もう目が見えない。

その祖父母の引っ越しの折に出た、不要品の本棚と机は、今、我が家にある。
私自身の家具は、渡仏前、東京を引き払う時に全て親戚にやってしまったので、祖父の書架と事務机は重宝している。
しかし、どちらも重厚な樫製で、一度設置してしまうと、一人での移動は困難だ。

ところが、私は今日、その困難に立ち向かった。
書架はいいが、机がいけないと以前から気になっていたからだ。

うっかり、窓を背にする向きに置いたので、染まりゆく紅葉や、黒揚羽の舞い、ジョウビタキの急襲に、居眠りする猫、蜘蛛の糸が露に光る庭を眺めるには、振り返らなければならない。

また、パソコンのモニターに日光が当たるので、日中でも半分ほどカーテンを閉めなければならないところも気に入らなかった。ただこれは、配線の都合で当初は仕方がなかったのだが。

パソコンとその周辺機器をそっと床に下ろす。雑多に重ねられた国語辞典にパリの地図、封書の束、モールスキンの黒い手帳、スーツケースの鍵、塗り薬、お守り、そしてレシートなどは、この機会に片付けた。
「何だ、ここに」と、探していた名刺は、朗読講座のテキストに使用した『銀河鉄道の夜』に挟んであった。

コロンブス像が見下ろすバルセロナの港が写る、スペイン土産のカレンダーのかかる壁側に、机を少しずつ少しずつ回転させた。
パソコンなどを元の位置に配置し、座面がベロア張りの木製のドクター・チェアに腰をおろすと右目の隅をベランダの西洋朝顔の桃色が過る。芭蕉の葉を打つ雨だれが物寂しい。

雨で暑さの和らいだ敬老の日、私は模様替えをした。
夜、祖父母に電話をかけてみた。

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by site-tate-tale | 2008-09-15 20:44

同じ記事を複数のサイトに書く利点

複数のSNSやブログに、同じ記事を掲載するようになり2ヶ月ほどになる。
まず、それぞれにコメントいただくことが有り難い。
そして、そのコメントも、SNSやブログごとに傾向があるのが興味深い。

鹿児島県外の方からは、鹿児島を代表する意見として受け止められることがあるし、鹿児島人からは、何となく東京気触れだと思われている。
外国の方からは、日本文化は興味深いとのメールをいただくし、パリ時代を知る人には、グローバルな意見だとお褒めいただくこともある。

また、ブログをご覧の方には、原寸大で写真をご覧いただけるので、写真についてのご意見が多いし、SNSは閉鎖的な分、自由闊達でコメント数も多い。

Site Tate(ブログ)は、テイトという男を主人公とする虚実織り交ぜた物語と謳っているので、何を書いても良さそうだが、色事については書かれていないなとお思いの方々は、そのご意見を飲み込んでいらっしゃる。大人の態度に感謝する。

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写真はOtto e mezzo(Huit et demi)の記事で使う予定だった、フィレンツェの書店で購入したフェデリコ・フェリーニの書籍と、『8 1/2(Otto e mezzo)』のDVDの付録のカードである。

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by site-tate-tale | 2008-09-10 18:38

都会のネズミといなかのネズミ

立秋も過ぎ、日没が多少早くなったが、日中はまだまだ30℃を超え、南国の面目躍如たる鹿児島である。

さて、帰国して2年だが、その鹿児島で服を買ったことがない。
ファッションにしても、演劇にしても、芸術・文化面では、残念だがこの南端の地方都市は都会に遠く及ばない。
しかし、三笠フーズその他のモラル無き食品会社の存在を考えると、いかがわしいものを食べさせられていた所為かもしれないが、食材は、例えば東京は、鹿児島の文化・芸術の都会比より、さらにレベルが低い。

だから、東京時代は鹿児島から米や野菜、茶葉を送っていただいていたし、時には肉もいただいた。さらに水も取り寄せていた。

今、これらの食材が簡単に入手出来ることは、味覚の豊かさだけはなく、健康にも好影響だと自覚している。

しかし、演劇という芸術を涵養するには、不健康もまた栄養なのだ。

庭で取れましたからと、いただいた野菜を手に、幸福とは何ぞと首をひねる。

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*本当においしい野菜でした。ご馳走様。

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by site-tate-tale | 2008-09-09 22:32

Otto e mezzo(Huit et demi)

"映画"は我が青春の教科書であった。
ヴィスコンティ、小津、フェリーニ、ゴダール、大島、ヴェンダース・・・。
俳優時代、年間200本ペースで観ていたはずだ。

文学、音楽、モード、科学、政治。
"映画"にはあらゆる教養が備わっている。
"映画"で覚えた外国語や外国文化も少なくない。
"映画"は光であり、影である。虚構であり、現実である。
そして"映画"には、生があり、死があった。

有楽町の狭い階段を上がった黴臭い名画座以来の再会は、『8 1/2(Otto e mezzo)』である。イタリアのフェデリコ・フェリーニ監督の1963年の傑作だが、今年5月に発売されたDVDをようやく購入した。

主人公でフェリーニの分身とでも言うべき映画監督のグイド役は、イタリアの名優マルチェロ・マストロヤンニであるが、彼の苦悩は、愛され、生かされ、動かされていること。

生きるとは、そういうことだ。



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by site-tate-tale | 2008-09-08 22:59


♪サイト・テイト


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竪山 博之
(たてやま ひろゆき)
演 出 家

舞台演出・演技指導・朗読講座の他、芸術やフランス文化に関する講演や執筆を生業としております。

お気軽にお問い合わせ下さい。
hiroyuki_tateyama
@me.com

尚、Site Tateは、テイトなる男を主人公とする、虚実織り交ぜた物語です。

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